上高地を学ぶ

植物図鑑

概説

河辺林のケショウヤナギ

標高1500mの上高地は、低山帯に分布の中心を置くハルニレ、ウラジロモミなどの森林帯と、亜高山帯に分布するトウヒ、シラベなどの針葉樹林帯の境界に位置し、両森林帯の植物が見られる。また、梓川に沿ってはケショウヤナギをはじめ、各種のヤナギを主とする河辺林が、田代湿原などには湿原植生が発達している。
 上高地の植生については、東京農工大学の亀山章教授が次のように区分している。
1.湿原植生:田代湿原や大正池周辺など。イ、アブラガヤ、サギスゲなど。
2.湿原中の微高地の植生:田代湿原などの、湿原中や周辺の微高地。レンゲツツジ、カラマツ、シラカンバなど。
3.河辺林:梓川河辺。ケショウヤナギ、オノエヤナギ、タニガワハンノキなど。
4.斜面下部と低地の森林植生:低地部の湿性林と崖錐上。カラマツ、ハルニレ、ウラジロモミ、シラベなど。