上高地を学ぶ

動物図鑑

概説

ニホンザル

 国土の2/3が森林におおわれた日本では、たとえ自然がまもられている国立公園の中であっても鳥以外の野生動物に出会うのは、なかなかむずかしい。しかし、実際には多くの動物が上高地に生息しており、特にニホンザルは出合う機会が多い。上高地に生息するニホンザルは、夏は3000mの高山まで登る、日本で最も寒冷な気候条件の下に暮らしている群れとして知られる。また、カモシカやオコジョも、歩道沿いで見る機会が比較的ある種類である。
 けものについては、姿を直接観察する機会はあまりないが、湿地や雪の上に残された足跡、ふん、冬に乏しい餌を求めて木の皮を剥いだあとなど、フィールドサインといわれるいろいろな痕跡を探すのがおもしろい。
 両生類についてはここに紹介した種類の他、タゴガエルが個体数は少ないが生息している。ただ、繁殖期を除くと、どれも人目につく機会は少ない。
 魚類は上高地に元から生息していたのはイワナだけといわれるが、過去に行われた放流の影響が強く、現在ではいろいろな種類が生息している。そして、明神池や清水川などでは、魚の姿を容易に観察することができる。なお、このガイドにとり上げた以外に、ニジマス、ヤマメなども放流されたことがある。