ア
- 安山岩(穂高安山岩類)
- 珪酸分(SiO2)を57〜63重量%含み、アルカリ成分(Na2O+K2O)に乏しい火山岩。日本などの海洋に面した火山帯に多く産出する。
カ
- 火成岩
- 地球内部に由来するマグマが固結して形成された岩石の総称。
- カルデラ
- 火山活動により生じた径1km以上の凹地形。生成の仕方により陥没カルデラ、爆裂カルデラなどに分類されるが、径数km以上の大型のカルデラのほとんどは陥没カルデラである。陥没カルデラは大量の火山灰や溶岩を放出することで地下数kmにあったマグマ溜まりが収縮し、地表までの岩盤が数百〜数千m落ち込んでできた凹地だが、その凹地のほとんどは火山灰や溶岩、そして周囲の外輪山からの崩落によって埋められてしまう。
- 岩相
- 岩石の種類(組成・粒度など)によって地層の特徴をとらえたもの。
- コル地形
- 細くて長い凹地または山脈間の細長い小低地。鞍部。
サ
- 沢渡(さわんど)コンプレックス
- コンプレックスとは、地層や岩石における複雑な混合体のこと。沢渡コンプレックスは、梓川左岸一帯に分布する中生代の地層中により古い地層が複雑に混じりあった堆積岩のこと。
- シルト
- 砂と粘土との中間の粒径(1/16mm〜1/256mm)を持つ砕屑物(ふんさいぶつ)。
- 接触変成作用
- 火成岩マグマの貫入にともなってその内部や周辺でおこる熱による変成作用。
タ
- たい積岩
- 地表の水や空気中で、その運動や生物などの働きなどによって形成される岩石の総称。
- デイサイト
- 岩石中に含まれる珪酸分(SiO2)が63重量%以上で、アルカリ成分(Na2O+K2O)に乏しい火山岩。
- 泥流
- 噴火時に火口周辺に大量の雪や氷を融解させた場合や、火口内に大量の水がたまっていた場合、噴火噴出物である火山岩や火山灰を多量に含んだ水が高速で流下すること。噴火の後の集中豪雨などで発生することもある。
ナ
- 二重山稜(多重山稜)
- 高山地域の山稜部で、山稜がほぼ平行した二列またはそれ以上の列の低い高まりに分かれているもの。稜線の間に山稜と平行に延びた浅いくぼ地を線状凹地という。成因については、気候原因説、重力性断層(地すべり)説、活断層によるものなどの考えがあったが、最近は稜線部が地すべりを起こして移動したために生じた変動地形とする研究者が多い。蝶ヶ岳周辺の山稜部でよく観察され、蝶ヶ池のように、線状凹地の一部は池となっている。
ハ
- 斑晶(はんしょう)
- 斑状の火成岩で石基の中に点在する目立って大きく見える結晶。斑晶を含む火成岩の組織を斑状という。
- 非対称山稜
- 山稜の中で、一方の斜面が緩い傾斜を示し、他方が急な傾斜を示すもの。ほぼ南北に走る常念山脈は、東側の安曇野側が急で、西側斜面は梓川の谷に向かって緩く、東急西緩の非対称山稜である。常念山脈などのように非対象山稜を示す要因は、冬季の季節風(西→東)が東側に積雪を運び、東斜面に氷食や雪食作用が強く働いたためと説明されることが多い。
- 氷河湖
- 氷河や氷河作用(氷河の行なう侵食・運搬・たい積作用)と関係して形成された湖。日本最大の規模を持つ涸沢カールの底には、「丸山」モレーンの土手に雪どけ水がせき止められて小さな湖(池ノ平池または涸沢池)ができる。これは氷河湖の好例である。
- 変成岩
- 岩石が高い圧力や温度を受けたため新しい鉱物や組織がつくられて姿や形を変えた岩石。
- 本質岩片
- マグマから直接由来した火山破砕物による岩片
マ
- マサ(真砂)
- 花こう岩が風化した部分。またそれらが分解してできた砂。また岩質を問わず風化作用により砂状に分解することをマサ化という。
- 模式地
- 標準となる岩石などの標本を産出した位置。地層を区分し命名する時、その地層の標準として指定する露頭・ルート。
ヤ
- 羊背岩(ようはいがん)
- 氷食で円く磨かれた基盤岩の表面に見られる突起。上流側は氷河の削磨作用(さいまさよう)によって形成され、丸味を持った表面には氷河の擦痕(さっこん)が発達する。下流側は融解水の凍結による風化によって形成され、ごつごつした破断面を持っている。
ラ
- 流紋岩(穂高安山岩類)
- 珪酸(SiO2)を69重量%以上含み、Na2OやK2O成分にも富む火山岩。
- 礫(れき)
- 粒径2mm以上の岩石の破片。
- レンズ
- 岩石中にはさまれる周囲と性質が異なる両凸レンズ状の小岩体。